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みりんってお料理に使われますか?
 それとも使いませんか? 
私はこの醗酵研究を始めて本物のみりんを使っていないことを知りました。 
みりんをとりまく世界は実に複雑なのです。

昨日愛知県の「角谷文次郎商店」のみりん造りの蔵見学をさせて頂く機会を得たので伺いました。
社長の貴重なお時間を2時間弱頂戴して見学・お話を伺ったことは大変有意義であり視野が広がりました。 先人の知恵を知っているものが伝承していく。 
料亭の味、みりんの歴史の知られざる世界を垣間見る機会となりました。
午前中はお礼状を書いていましたが、それだけでは足りないくらい・・・この場も借りて御礼申し上げます。 

ここの「三州三河みりん」は割烹料亭やうまいものつくりに励む料理人の間では高級調味料として永く愛用されています。 一方家庭では・・・みりん風調味料が流通していて、みりんって一体何?というぼやっとした認識で使ったり使わなかったりしているのではないでしょうか?

みりんはお酒なのです。   飲めるのです。

ちょっと立ち止まってみりんを見直してみようかな? など興味をもった方は以下のお話をどうぞ
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持っているレシピには みりんがよく登場します。
そのレシピの通りの本当に美味しい料理を作れているでしょうか?  

流通しているみりんは実に複雑です 
みりん風調味料・本みりんという名のもと沢山のみりんが出ています。
でも原材料をみれば 一目瞭然です。

私の使っていた宝酒蔵の本みりんは原材料が「もち米・米こうじ・醸造アルコール・水あめ」でした。
一見「ブドウ糖・化学調味料・香料」などが入っていない+アルコール14%と書いてあるので「これはみりん風調味料ではない!本物のみりんだ」 と思っていましたが・・・違いました

この本みりん、アルコール分は14%とお酒ですが原料のもち米の3-4倍のみりんが出来きあがります。 つまり糖類やアルコールを増量して3-4倍に薄めて販売しているのです。
これは戦後開発された製法で広く流通しています。
実によくできています。 荷崩れしなくなることに加えアルコールの中にやわらかな甘さとうまみがあります。 しかしこの本みりん、飲むものではありません。 本物のみりんは 飲める!のですよ。  

高級な割烹・うまいものつくりに励む味のプロの間では 本物のみりんは永く使われています。 
昔は高級調味料として一部業務用だった味醂も減税されたり 酒免許をもつスーパーやデパートが増えてきたので 私達も使うことができます
割烹だけの特権ではなく 私達も同じ味がだせるのです。
美味しいもの好きのみなさんなら すでに使っているかもしれませんが。。。

今回訪問した 角谷文次郎商店では200年以上の伝承の技術を守りみりん醸造をしています。
もち米1升(1.5kg)にたいして出来る みりんは1.8リットル。少ない!というより原料そのもの。 
嵩を増やしていないから コレを見ただけでも贅沢品だなと思います。

さて、蔵見学についてです。 これは驚き・発見の連続でした。
原料は「もち米・米こうじ・焼酎」です。  
すべて自社で原料を作っています
①米焼酎・・・寒い冬季に自社一年分仕込む 
②米こうじ・・・蒸した粳米(うるち米)に種麹菌を振りかけて米麹をつくる。

みりんを仕込む段階で もち米を蒸し米麹と焼酎を合わせるのです。 驚くのはあわせる時。 
もち米と米こうじはもろみタンクへ焼酎が管を通って運ぶのです。
この管を通る間にもち米と米こうじは焼酎を吸い込み混ざり合いタンクへ入ります。
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左は蒸したもち米。 右はもち米と米こうじ焼酎が2-3メートルあるタンクに入ったところです。 焼酎は吸い込んだ分だけなので水分が下にたまっていることはないそうです。 
つまり 増量などしていない。贅沢に米を使っていることになります。一ヶ月間このまま醗酵。 その後櫂を入れタンク内が均一になるようにゆっくり醗酵をさせるそうです。(さらに2-3ヶ月)

その後、このもろみを袋に入れて(槽ふね)でしぼります。
この搾る場所も室外窓から見せていただきました。 
美味しい甘い香りと常温で熟成を進めるため雑菌がよってきやすいそうで、クリーンルームになっています。 これは機械式が多い中、手作業で袋詰めをし2トンの重しを乗せ槽(ふね)で搾る昔ながらの製法で作っていました。
機械式ではきれいに濾すため酵母までが濾され 搾り後の熟成が止まってしまうデメリットを解消するためだそうです。 
この手作業のため貯蔵用のタンクのなかで半年から1年ねかせて熟成させることで味に深みと美しい琥珀色に色づくのですね。

私は写真のみりん数種類を譲っていただきました

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手前から 
三州三河みりん 900ml 980円
有機米三州みりん 500ml 960円
三州梅酒 360ml  670円 →自社みりんに梅をつけた*みりん梅酒
三州 柳かげ 360ml 1120円 アルコール20% 伝承の味(貴重・稀少の飲むみりん)
です。  ・・・ 買いすぎ?

柳かげをさっそく昨晩頂きました。 まろやかな甘みや香りが広がり、古酒や軽めの紹興酒を彷彿とさせました。 
アルコール度数も20%と高めで色も濃いです。
お酒を好きな方には みりん酒 お持ちしたいものです。

ひとつ。 角谷社長がおっしゃっていました。
「僕達は麹菌の力を知っている。 お米の美味しさを麹菌の力を借りて最大限に引き出しているのだ」と。  麹菌の力を借りて・・・ 研究員*とても じーんときました。
力を借りて。 麹菌の力を使ってじゃないのですね。

このみりん、、、先にもお伝えしたように 3ヶ月ほどの醗酵期間と半年から一年の熟成期間を経て米1.5kgから1.8リットルしか作れません。
そのメリットは何か。 風味や効果はもちろんですが、それに加え世間一般のみりん風調味料(水あめ・ブドウ糖・化学調味料含有)が開栓した後カビが生えやすいのに対して 常温で腐敗しないという特徴があります。
ここに 菌の力を感じます。


本格みりん 私達はデパートや酒屋で手にいれることができます。
見極めは簡単 原材料をみて「米・米糀・焼酎」この3つです。
醸造アルコールや水あめが入っていれば3-4倍にアルコールを入れ増量しているものだとわかります。
腐敗しない本物のみりんを使って 素材の美味しさを消さない美味しい料理を一緒に研究しませんか?  
使っている ”うまいもの作りに励むあなた” 色々指導いただけたらうれしいです。

ちなみに・・・  角谷社長がおっしゃっていたこと。
家庭では出来立てにまさる美味しい食事はない、だからね、みりんのように食材を冷めても美味しく保つ働きは 極論要らないね。 料亭用の調味料なんだね。」 との言葉が身にしみます。
 みりんはもちろん他にも照りをだしたり 素材の煮くずれを防いだり味を深く浸透させたりとの働きがありますから、素材の力を引き出すために・・・その力を引き出すことを念頭に使っていきたいと思っています。

 角谷社長のお話は響くものがありましたので、レシピアップのときにでもまたお伝えできたらと思います。

こんなに長い記事を最後まで読んでくださったかたがいらしたらお付き合いくださったことに感謝しています。    研究は今後も続きます* どうもありがとう。 


以下はみりんの歴史です。 簡単にまとめました。 酒税が高い!ことにびっくり!みりん風調味料の進出の背景がわかります。



みりん誕生は戦国時代と随分古く、製法は 「焼酎」に「もち米・米こうじ」を仕込みます。

古書には「蜜淋酒」「美淋酒」とかかれていたようで ほんのり淡い甘口の高級なお酒として飲用されていたそうです。
 この高級酒が調味料として使われだしたのは 砂糖よりも入手しやすかった背景があり割烹調味料として消費が増えていき大正末期から昭和初期には糖度(エキス分)50度に近い濃厚みりんが出来上がりました。

戦中・戦後の米不足の世相の中ではぜいたくひんとして高い酒税が課せられたそうです。
昭和30年 1升売値1000円の内 762円が酒税
高くない??? 高すぎじゃない???

このような高い酒税から逃れるために出来たのが「新みりん」「塩みりん」です。
これらは雑穀を原料に糖化した液に化学調味料や添加物を加え アルコール分を含まないみりん、円水中でアルコール発酵させた塩辛いみりんつまり 塩分を含むから飲用にならないと、酒税法外で製造が始まったのです。

酒税が高いため全国のみりん業者は免許返上・廃業が続出したそうです。
その後昭和30年34年37年と大幅減税がされ 121円まで下がりそれまでは 高級調味料として一部業務用にしか使えなかったみりんも家庭用に使われるようになったそうです。

しかし 高度経済成長、国民全体が中流意識を持つようになったころ 大型スーパーがいたるところに出来ました。 酒販売免許がなくとも 調味料の品揃えの必要性からみりんではない「みりん風調味料」が出回ったのです。

うーーーーん ここでみりんは 複雑に 偽者が出回るようになったのですね。

そんなわけで 私も知らずに みりん風調味料 を使っていたのですが、
本物を知ったからには、 素材の味を大切にする基本の料理を作っていきたいと思います。

さらにこんなに長い記事をここまで読んでくださったかた、お付き合いくださったことに感謝しています。 
ここまでよんだ報告に・・・↓↓押していただけると 指針になります・・・

 
何気に レシピブログやってる方は食通が多そうなので期待・・・。
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